越野充博

なんだかんだと仕掛けてくる神田京子先生だが、今度は「大独演会への道」だそうである。
これを聞いて、ふと鈴々舎馬風師匠の「会長への道」を思い出した。ネタ下ろし当時の落語協会会長は、自分の師匠、柳家小さん。小さんが死んだあとは…と始まり、当時、キラ星の如くいた名人や人気者たちをこき下ろしつつ、活写する一席である。オチは「こんなにいっぱいいたら、オレが会長になるには120歳まで生きなきゃダメだ」というものだが、人生わからないもので、馬風師匠は67歳でホントに会長になっちゃったのだ。
さて神田京子先生である。正統を守りつつ、次々と新作にも挑戦する彼女への各方面からの評価も高い。芸には真摯愚直に取組み、なにより、偉ぶらず愛嬌ある天性は人を明るくし、勇気づける。 ということで、この「大独演会への道」というテーマには、京子先生のさらなる野望が隠されている、と私は睨んでいる。もちろん上品で控えめな京子先生はそのようなことはお首にも出すまい。 そこは、私たちが汲み取ることが必要である。それこそが応援団に課せられた使命に違いない。 同志諸兄、ゆえにまずは、読売ホール満席を目指そうではないか。
 
越野充博
東京商工会議所北支部会長 越野建設株式会社社長